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誰がつけたか 風花と言う
命なき花 その潔さ

森へと続く 餓狼(がろう)の足跡
記憶の果てで 黄金(くがね)が啼いた
引き返せぬ大罪(つみ)も 闇を纏う道も
誰が傷つこうと かまわぬ
非情でも それが愚かでも
お前が 生きるためなら

氷塊の楼閣よ どこまでも高く 凍てつく雲
突き抜けるほどに 聳(そび)え立つのだ
あの空のような お前の臨みに 届く筈はないと
知っていても それで いいと

時は移ろい 下がり藤にも
花殻となる 運命(さだめ)が待つか

守るべき栄華も 血を分けた絆も
全て捨て去ろうと かまわぬ
誇りさえ そして呪術(ねがい)さえ
お前が 進む為なら

氷塊の楼閣よ どこまでも強く 冥府の炎
塞(せ)き止めて黒く 聳え立つのだ
あの風のような お前の背中が 視界から消えても
立ち尽くそう 独り 此処に

氷塊のこの胸よ どこまでも深く 封じ込めよう
想い出の日々に 誰も触れるな
溶けることのない 心の扉よ
声を立て笑った 遠い季節
永久(とわ)に 眠る…


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