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麗(うら)らかな声が聞こえる
春を告(つ)ぐ鳥よ
少しだけ日溜(ひだま)りの中
まどろむのもいい
遠走(とおざ)かるのは ああ 少女の足音か
それとも過去(かこ)の ああ 戦いの幻(まぼろし)か
瑠璃(るり)色の空に 風が吹(ふ)いて
遙かな 明日(あした)を想う
罪深き我が身を包むのは 淡(あわ)き春霞(はるがすみ)
漆黒(しっこく)の衣(ころも)に散(ち)った
野辺(のべ)の花たちよ
浄土(じょうど)など望めるはずも
ない身を飾(かざ)るか
別々の道 ああ 選んだあの父(ひと)と
辿(たど)り着くのは ああ 同じ理想(りそう)だったとは
瑠璃(るり)色の空に 風が吹(ふ)いて
平和(へいわ)な 明日を願う
目の前に広がる美しさ 花は春爛漫(らんまん)
…重(おも)くなる瞼(まぶた)が 見たものは
水面(みなも)に消えゆく 波紋(はもん)
誇(ほこ)らしく咲いた 真白き蓮(はす)
永久(とわ)の 残像(ざんぞう)よ…
横(よこ)たわる身体(からだ)は 永眠(ねむ)りつき
やがては土へと 帰る
抜(ぬ)く出(た)した 魂は放(はな)たれ
高く 冥府(めいふ)へと
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