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 民事上のトラブルに「ポリグラフ」(うそ発見器)を活用する取り組みが大阪府警科学捜査研究所(科捜研)のOBらで組織する「日本法科学鑑定センター」(大阪市・北区)で今月から始まった。民間でのポリグラフ導入は全国初の試み。需要があれば、遺産相続問題で遺言書の真偽の判定を行うほか、社内に出回る誹謗(ひぼう)文書の犯人捜しなどにも活用されるとみられる。
 導入を進めたのは、前府警科捜研所長でポリグラフ検査の第一人者、荒砂正名(あらすな・まさな)さん(61)。今春に府警を定年退職して同センターに移った。民間での鑑定業務に携わるうち、双方の言い分の食い違いによる争いが多いことを知り、ポリグラフの活用を思い立ったという。
 府警のポリグラフ検査は年間約1400件と全国最多。荒砂さんは科捜研にいた36年間で、和歌山毒物カレー事件の林真須美被告(46)=1、2審で死刑、最高裁に上告中=ら約8000人に検査を行った。
 印象深いのは平成9年4月、大阪府八尾市で郵便局員の妊娠8カ月の女性が男に刺され、胎児が死亡した事件。逮捕された愛知県の男は当初、「ムシャクシャし、通りがかりの女性を刺した」と通り魔的な供述と繰り返した。しかし、愛知に住む男がなぜ八尾にいたのかなど腑に落ちない点も多かった。
 荒砂さんは、ポリグラフ検査機を前に男と向かい合った。脈拍や呼吸、発汗などを調べる検査装置を指や胸に装着した男に女性の仕事について尋ねた。
 「看護師か」「銀行員か」「美容師か」。いずれの問いにも男は「知らない」。次に「郵便局員か」と尋ねた瞬間、針が大きくふれた。さらに知らないはずの女性の住所などにも次々と顕著な反応をみせ、男はついに観念した。
 「もう結構です」。ポリグラフが男を追いつめた瞬間だった。その後の捜査で、殺害を依頼した女も郵便局員だったことが判明した。
 同センターでは、保険会社や弁護士の依頼による交通事故や火災の鑑定のほか、遺言書や契約書などの筆跡鑑定などを行っている。ポリグラフの運用は、双方の事前の了解が必要だが、荒砂さんは「十分な経験と技術があれば95%の確率で真偽を判断できる。科学捜査の経験と技術を役立てたい。警察沙汰(ざた)にせず、身内だけで解決したいというニーズも多いはず」
 特に、社内の誹謗文書の犯人探しや横領事件、遺言書などの鑑定や損保会社による偽装事故の判定などのほか、金銭貸借や浮気調査などにも応用の場が広がりそうだ。料金は遺言書などで双方に鑑定する場合で、40万円程度という。
 元科捜研所長で追手門学院大の松野凱典(かつのり)教授(犯罪心理学)は「双方の了解さえ得られれば、ポリグラフは民事上のトラブル解決でも非常に有益だ」と話している。
「鑑定結果が今後、民事訴訟の証拠として採用される可能性は十分ある。民事分野でも、ポリグラフの活用範囲が広がる可能性がある」
呼吸、脈拍、血圧、発汗など複数の生理現象を電気的に計測、記録することで記憶の有無を確かめる装置。犯罪捜査において利用される捜査手法の1つで、被験者の胸や腕、指などに測定器を取り付け、質問に答えたときの反応で事件への関与を判断する。
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